ヒロシマ風化させない 平和な時こそ行動を

沼田鈴子さんの被爆体験

音声ライブラリー

4分7秒(約727KB)
亡くなられた沼田さんの証言、音声はこのまま残し、後世へ伝えていきます。ここに謹んでご冥福をお祈りいたします。

 私はあの日のことは、貝のように口も心も閉ざして語りませんでした。語り始めようとして気が付いたときには、すでに老境へ入る第一歩、被爆者として悔いのない一生のために今私は戦争を知らない世代の人たちに命の尊さと平和を作り守ることの大切さを黙っていては伝わらないと、命のある限り被爆体験を通し証言しなければならない、重い責任のもとに証言活動へ人生を役立てようと決心して、日々を動いております。

 原爆を受けて半世紀以上生きることができたことは一つの区切りであるでしょうが、私にとって過去における歴史的時代背景の真実を正しく学び、謙虚な反省のもとに人類が犯した過ちを再び繰り返さないために、人類が幸せに生き延びるために反戦、反核、反差別、環境汚染、自然破壊、反対の運動をしっかり受け止め自らの学びにしておりますのが私の現在、後世に伝えることの大切な出発点であります。

 あらゆる困難を乗り越え平和へのために一生懸命立ち上がった被爆者の運動の力。市民の草の根の運動の力。核運動家の方々が今を語る私どもに路線のレールを敷いてくださったことです。敷かれたレールを大切に維持をし、21世紀を生きる人たちが引き継いでいかなければなりません。ヒロシマを風化させてはなりません。

 私は広島を学んでくださるたくさんの方々の出会いに恵まれ、旅の疲れも見せず目を輝かせて真剣に耳を傾ける小さな子供たち、中学生、高校生、大学生、大人、諸外国の方々の姿に接し、たくさんの事を私は教えられ交流も増えますことを幸せに思うとともに生きがいを感じ、

 明日に昇る太陽に希望と勇気を与えられております。証言は私の平和の一粒の種まきです。多くの方々が手を取り合って一粒ずつの種まきの輪を広げましょう。美しい地球、すばらしい未来のために身近なところから心の種を増やしてまいりましょう。最高の幸せは平和であること。無知であることは愚かなことに繋がります。平和なときにこそ真実を見つめ、狂っている世の中、社会に目を向け耳を傾けなければ自分自身の行動が見えないのではないでしょうか?

 国と国が理解し、民族と民族が信頼し、愛し合えば心と心は通じ合うのではないでしょうか?世界すべての人たちが平和で幸せに安心して暮らしていけるように願いながら、また私は歴史の真実を知る旅にも出かけております。訪問しているところは、アメリカ各地、ヨーロッパ各地、ソ連、マレーシア、シンガポール、ビルマ、フィリピン、ベトナム、アウシュビッツ、中国、韓国、パナマ、沖縄で韓国、沖縄は毎年訪ねています。最後に出会い、感動、発見、出発の四つの言葉を自分の日々の行動に繋がるものとしています。

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