2007年9月6日から13日まで、グリーンランドで開催された国際シンポジウム「北極:生命の鑑 – 宗教・科学・環境 -」 に参加し、被爆体験を話してきました。
この会議は異常な速さで氷が溶ける北極圏のイルリサット・アイス・フィヨルドの港口に浮かぶMSフラム船上で行われ、地球のための黙祷から始まりました。世界各国から集まった環境問題専門家、科学者、宗教指導者ら一堂に会して現在直面している環境危機問題の解決へ模索をしました。
7月下旬に、ギリシャ大使館を通し、RSEという非営利団体から世界唯一の被爆国である日本の被爆者を代表して被爆体験を話して欲しいという依頼がありました。この機会に被爆者として体験を語る機会を与えられることは大変光栄なことでした。
折しも新潟で起きた地震による柏崎原発事故で放射能汚染された水が海に流れ出、世界に報道されたので、原子力発電に関しての意見も求められました。私は原発事故がいささかでも懸念されるのであれば利用すべきではない。第二のチェルノブイリのような犠牲者を出してはならない。太陽や風などを利用する方向に力を注いではどうかと思うと話したところ、そこにいた約150人は総立ちになって「感銘を受けた」と私を激励してくれました。コンスタンティノプロス総主教バルセロメオスからも「大変いい話をしてくれてありがとう」という感謝のお言葉をいただきました。私のメッセージが人々の心に届いたことをとてもうれしく思いました。
このほか、グリーンランドに住むイヌイットの人たちからは地球温暖化の影響で生活の変化を余儀なくされている現状を聞き、交流もしました。
この会議は今回が7回目で、創始者であり、主催者であるバルセロメオス総主教の後援で今回も開催されました。アナン前国連事務総長やバーロン欧州委員会委員長らが後援者として名を連ねております。
BBCワールド、デスカバリーチャンネル、ギリシャ、アメリカ、ドイツから、新聞社など報道関係者らが同乗し、終日インタビューをして録画を作っていました。私もインタビューを受けました。核被害は生物の存続をおびやかす環境破壊の最たるものとの認識を新たにしました。
これからはもっと、核被害による影響、環境問題などを勉強して少しでも生かせていければと思っております